よく寝る|泣き止む|赤ちゃんの抱っこの仕方

うみそだてちゃんねる

こんにちは!助産師のリエです。

赤ちゃんの抱っこって、意外と自信のないママが多くて、よく質問をされたりします。ですので、今日は赤ちゃんが安心できる、基本の抱きかたについて徹底解説します。

よろしければ動画の方もご参考に☺️
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新生児の抱っこのポイント

ではまず抱っこのポイントから!
Twitterではこんな感じで載せてました。ひとつずつ解説していこうと思います。

落とさない

一番大切なのは、赤ちゃんが安全であるということ。落としにくい抱っこの仕方を考えましょう。

人差し指と親指はL字型にする
みなさん鉄棒をするときを思い出してください。親指を回して持つのと揃えて持つのとではグリップする安定感が全然違いますよね。抱っこも同じで親指を回して挟むように持つだけで、支える力が全然変わってきます。ですので、赤ちゃんを持つときは必ず親指と人差し指をL字型にして、挟むように持つことを習慣づけましょう。
お股は挟んで持つ
ふたつめ、お股は挟んで持つとあります。今解説したように、L字型にしてお股を挟んで持ち上げて、持ち上げた後も、横抱きにした時に腕をお股の間に差し込んで抱っこするのがおすすめです。これをせずに赤ちゃんと抱っこする人の間に手を入れてしまうとちょっとバランスを崩したときに、落ちやすくなります。また、赤ちゃんの外側から抱っこすると両足が揃って、後で出てくる股関節脱臼になりやすい姿勢になってしまいます。ですので抱っこするときはお股に腕を入れて挟んで持つと覚えておきましょう。

頭に衝撃を与えない

生まれたばかりの赤ちゃんは頭を支える筋肉がまだ発達していないので、自分で頭を支えることが出来ません。3〜4ヶ月くらいになると筋肉が発達してうつ伏せ寝で寝かせても自分の力で首を持ち上げたり、動かしたりすることができるようになって、このことを首がすわると言います。そしてこの首がすわるまでの間は抱っこするときに首を支えてあげないと頭がグラグラと大きく揺れてしまいます。
揺さぶられっこ症候群
赤ちゃんの頭が揺れたり衝撃を受けたりして怖いのが脳の損傷です。生まれてきたばかりの赤ちゃんは脳と頭蓋骨の間に隙間があるので、揺れや衝撃で脳の血管や神経が傷つきやすい状態なんです。この状態で赤ちゃんを激しく揺らしたり、激しい高い高いをして脳が出血し、障害を起こすことを揺さぶられっこ症候群と呼びます。あまり神経質になる必要はありませんが、時に赤ちゃんが亡くなったり、重い障害を持つような事例もありますので、特に赤ちゃんの首が座るまでの4か月程度の間は気をつけて、そして脳の隙間がなくなる1歳半頃までは、極力激しい高い高いなどは避けるようにしましょう。
頭から持ち上げお尻から置く
ですので、抱っこするときは首をしっかり支えて、頭から持ち上げお尻から置くようにしましょう。そしてあやす程度なら全然大丈夫ですが、激しく揺らさないように気をつけましょう。

股関節脱臼に注意

赤ちゃんの股関節は足の根本の丸い骨が骨盤のお皿にはまっているように接続しています。そして足はM字を描くように開いているのが正しい位置です。このM字の足をまっすぐにして圧力がかかると、お皿におさまった足の丸い骨が簡単に外れてしまい、その状態を股関節脱臼と言います。脱臼を起こすと装具をつけたり、手術が必要になることもあるので十分に気をつけましょう。
なので抱っこするときは足をM字に。足の間に腕を入れておくと安全面だけでなく股関節脱臼予防にもなるのでおすすめです。スリングを使うときや、おくるみでおひなまきをするときも足がまっすぐにならないようにしてあげましょう。

安心感のある姿勢を保ちましょう

赤ちゃんが安心する姿勢、それはお腹の中にいたときの姿勢です。赤ちゃんはお腹の中では子宮という筋肉でできた袋の中にいました。狭い袋の中なのでコンパクトに丸まっています。あたたかい羊水の中にいて、ママが動くたびにゆらゆら揺れていました。逆に外の世界はどうでしょう。広すぎて身体の動きが安定しません。羊水もないので少し腕を動かしたらびっくりするほど遠くまでいってしまいます。
なので、抱っこするときは赤ちゃんを包み込むようにやさしくホールドしてあげましょう。そして背中はCカーブと呼ばれる背骨の丸みを保ってあげましょう。立ってだっこするときはゆらゆらと揺らしてあげると気持ちいいですね

腱鞘炎注意

産後はホルモンの分泌量が急激に変化するので、腱鞘炎になりやすい状態です。首の座らない赤ちゃんを支えるために無理をして力を入れて手を開いく、手の甲を反らせるのは要注意、あとは抱っこをするときに体から離すとそれだけ手に負荷がかかるので、気をつけましょう。

横抱きの方法

では、実際にやってみましょう♪
まずは私たちが看護学校で教わる基本の横抱きの方法です。

まず一番最初に両手でふんわり優しく赤ちゃんの頭を支えてあげます。

右手が利き手の方は、左手で少し頭を持ち上げて、右手をL字型にして、赤ちゃんの耳の後ろあたりに親指と人差し指がくるようにして、

そしてこちらの左手もL字型にして、お尻の下に差し込んで、おまたを挟んで持ち上げます

持ち上げた赤ちゃんは、ママの胸の前まで近づけてあげて

先に右手を足の方まで回してあげます。

そして左手をお股の間をそのままスライドさせて、持ってきてあげます。

腕をふんわりホールドしてあげて、この状態で安定させます。

左右抱き替えるとき

左右抱き替えるときは、右手をまたL字型にして頭を挟むかたちにし、

一旦身体の中央に赤ちゃんを持ってきて

左手をL字型にして、赤ちゃんの背中側から差し込んでから、赤ちゃんの頭を先ほどと反対側に寄せると、授乳の時によくする「交差横抱き」の形になります。

左右の手をスライドさせて出来上がり♪

これが基本の横抱きです。

縦抱きの方法

次は縦抱きです。
横抱きと同様に頭をやさしく包み込んで、赤ちゃんを抱く側の手で頭の後ろを持ち、反対側の手でお股を挟んで持ちます。
そしてそのまま赤ちゃんを持ち上げて、お股に入れていた手を伸ばします。
首が座るまでは頭の手はそのまま支えてあげましょう。
気をつけたいのはどちらの手で持つか。
赤ちゃんの頭が来る方の手で頭を持った方が、赤ちゃんが落ちにくく安定します。

まとめ

今日の内容は以上になります。
覚えておいていただきたいのは、一番大切なのは、愛情をこめてリラックスして抱っこすることです。
それに加えて今日お伝えしたテクニック面もマスターして、赤ちゃんとのスキンシップを楽しんでくださいね♪
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
参考URL:2020.3.19現在
「揺さぶられっ子症候群」と保育: 乳幼児保育に関わる人々の認識度(第1報)